vee ga boo参加ブランドへのインタビューを毎月更新していきます!作り手の想いやこだわりを是非とも知って、食べて、感じてみてください!
まるでホテルのアフタヌーンティーで出てくるような上品なスイーツが魅力の『Atelier TiDANEFA(アトリエ・ティーダヌファ)』
オーナーのひらたさんにお話しを伺いました。
お菓子の本場フランスに学びに行った経験もあるひらたさんの手から生み出されるお菓子は、どれも想いの詰まった繊細なものばかり😌
この記事を読んで気になった方は、ぜひ『Atelier TiDANEFA』の公式サイトやインスタをチェックしてみてください!
細胞を満たすナチュラルスイーツ『Atelier TiDANEFA』
「アレルギーの授業をやってみないか?」という誘い
―― ブランド立ち上げのきっかけを教えてください
ひらた:子どもの頃からお菓子作りが好きで、フランス菓子研究家の方のアシスタントをしていたり、フランスにお菓子作りを学びに行ったりしていたんです。
―― 本格的ですね!
ひらた:もともとSEの仕事をしていましたが、このままでいいのかと思い、20代後半に仕事を辞めて、お菓子を学びにフランスに行くことにしました。
もともと自身のアトピーが酷く長年悩んでいたのですが、フランスに行ったらみるみるうちにアトピーが治ったんです。やっぱり自分のやりたいことができる環境や、フランスの風土があっていたみたいで。
ですが、半年勉強して日本に戻って来たら、1週間でアトピーが戻ってしまったのです。酷くて動けない状態でしたので、一度は食の仕事は諦めました。
オーナーのひらたさん
ひらた:10年ほど経ち、ご縁があったのが製菓学校の仕事で。私がアトピー持ちなのを知って、そこの理事長に、「アレルギーの授業をやってみないか?」と言われて、アレルギー対応の授業を受け持つことになりました。
今思うと、それがこの仕事への出発点でしたね
特に子どもにアレルギーの多い卵や乳製品を使わないお菓子の研究をたくさんして、その後、これを仕事にしようと思い2013年に自身のブランドを立ち上げました。
―― ヴィーガンスイーツに行きついたのも製菓学校でのご経験からでしょうか
ひらた:ええ。動物性を使わないお菓子を作れるようになると、他のお菓子もどんどん動物性不使用で作りたくなりまして。
ついに作る工程が大変な “オペラ” をヴィーガンで完成させることができたのです。
それで自信がついて、ヴィーガンスイーツのブランドをやることを決めました。
このオペラはフランス語で「歴史」という意味の「L'Histoire(リストワール)」と名付けました。
それまでの、思うようにいかなかった時間(人生、歴史)にも無駄なことはなくて、積み重ねていくとすべてが意味をなし、今の自分自身になっているんだな、と感じたことを形にした思い入れの深いケーキです。
太陽の子ども
―― 『Atelier TiDANEFA(アトリエ・ティーダヌファ)』はフランス語でしょうか
ひらた:よく聞かれるのですが、実は琉球の言葉なんです。
―― 沖縄の言葉なのですか!?
ひらた:私自身アトピーなど辛い時期を過ごす中で、「人生何があるかわからないからやりたいことはどんどんやってみよう!」という思いがあり、念願だった犬と暮らすことにしたのです。
沖縄のブリーダーさんからミニチュアピンシャーを迎えたことをきっかけに、毎年沖縄に行くようになりました。
今では那覇マラソンを走るほど沖縄好きですし、何より一緒に暮らす犬が私に幸せを運んできてくれたので、感謝の気持ちを込めて、沖縄の言葉で「太陽の子ども」という意味の名前にしました。
出発点が「アレルギーを持つ子どもが食べられるお菓子」だったので、ピッタリだなと思ったのです。
もし家族の中にアレルギーの子がいたら、その子を中心にして、みんなで協力して食について考えたり、できるだけ身体に負担のない食事をみんなで試したり、きっとその子は、“太陽のように家族を明るく照らす” のではないか、というイメージが浮かびました。
―― 素敵な意味が込められているのですね
妥協しないこと
―― ヴィーガンスイーツを作り始めて良かったことを教えてください
ひらた:以前、ヴィーガンやアレルギーではない方から、
「今まで食べたケーキの中で一番おいしかったです」と、言っていただけたのは本当に嬉しかったですね。
また、アレルギーのないお子さんなのですが、
「生まれて初めて子供に食べさせるケーキなのでここのケーキにします。」とい言葉をいただいたのも嬉しかったです。
“ああ、やっていて良かったな” と思う瞬間ですね。
―― ひらたさまの一番大事な信念を教えてください
ひらた:「何に対しても妥協しないこと」ですね。
こういう味と食感にしたいと思ったら、そこに至るまでとにかく一途に試作を重ねています。
目指すは「細胞を満たすナチュラルスイーツ」です。
これからも、“身体が喜ぶ、食べた時にじわぁーっと身体に染みわたるようなお菓子” を作っていきたいと思っています。
こだわりのカヌレを皆さんに
―― 今回のvee ga boo BOXに入るスイーツのおすすめを教えてください!
ひらた:カヌレは長年、「絶対ヴィーガンで作ろう!」と思っていたお菓子でした。
以前フランスに行った際、ちょうど “カヌレ祭り” があって。その頃はまだカヌレを知らず、黒光りしている見た目に驚きながらも、そのおいしさにびっくりしたことを覚えています。
卵・乳製品・小麦・砂糖が主役のカヌレですから、「これをヴィーガンでするのは無理でしょ」と思っていたのですが、だからこそやってみたいと思いました。
最初は小麦は使っていましたが、たくさんの試作を重ね、一年半かけて去年やっとグルテンフリーカヌレが完成しました。
自信作なのでたくさんの方にお召し上がりいただきたいと思いました。
カヌレは私のこだわりだったので、もう一つはより親しみやすいお菓子を入れたいと思いキャラメルナッツを選びました。
キャラメル好きな方は多いのかなと個人的にも思っていたので、キャラメルの濃厚さを存分に味わえる逸品になっています。
いつも食べている “普通のお菓子” を目指して
―― 今後のビジョンを教えてください
ひらた:ヴィーガンスイーツをもっと広めるために、「作り手を増やすこと」と「お店を増やすこと」を頑張っていきたいです。
「作り手を増やす」ために、料理教室をやりたいと思っています。
作り手が増えると、その人達が独立して「お店を増やすこと」にもつながりますので、お店を持ちたい方の技術面の支援をしていきたいです。
また、日常生活にヴィーガンスイーツを浸透させるに、もっと日常的なお菓子を扱う “まちのおやつ屋さん” をやりたいですね!まだ具体的ではないのですが、実はキャラクターとかも考えているんです(笑)
あとは、ヴィーガンスイーツのレシピ絵本を作りたいです。沖縄の “キジムナー” という妖精とアレルギーを持つ女の子の話にしたいなぁと思ってます。
―― やりたいこと、まだまだたくさんありますね!
ひらた:思いはどんどん口に出していこうと思っているんです!
私のこれまでやってきたこと、今お店を持ったこと、両方並行して社会に貢献していきたいと思っています。
――では最後に読者にメッセージをお願いいたします!
ひらた:おいしさは当たり前、それに加えてヴィーガンスイーツと感じさせない、いつも食べているものと変わらない “普通のお菓子” を目指しています。
ヴィーガンだからと堅苦しく考えずに、“普通のお菓子じゃん!” って思っていただけたら嬉しいです。
『Atelier TiDANEFA(アトリエ・ティーダヌファ)』
長年携わってきたフランス菓子に、見た目も食感も味も限りなく近いものをヴィーガン仕様で表現する。それがAtelier TiDANEFAの創作理念。材料選びは、化学物質に弱い店主が食べられるナチュラルなもの、が基準。カラダへの負担を可能な限り抑えています。食に制限のあるなしにかかわらず、スイーツデビューの赤ちゃんから、カラダを気遣うどの世代の方々もご一緒に「美味しいね」と笑顔になってもらえることを願っています。
HP:https://atelier-tidanefa.jp/
Instagram①:https://www.instagram.com/atelier_tidanefa/
Instagram②:https://www.instagram.com/tidanefa/
Text by 岡﨑可奈(vee ga boo)